お香・お線香・練香・焼香など、どのお香にもさまざまな香原料が使われ、香りが作られています。このページではそれぞれの香原料について解説しています。 香原料一覧/50音順
香原料一覧/種類別![]() 香木伽羅(きゃら)伽羅は沈香の最高級のものに与えられる名称です。香りの成分である樹脂が沈香より多く含まれ、熱を加えなければ香りがしない沈香と違って、伽羅はそのままでも大変良い香りがします。 香木沈香(じんこう)ジンチョウゲ科の木に外的要因で傷ができたとき、その傷を治すために集まった樹脂の成分が変質し、香りを放つようになったものが沈香です。比重が重く水に沈むことが沈水香木の名前の由来となっています。 ![]() ![]() 香木白檀(びゃくだん)ビャクダン科半寄生の常緑高木の幹や根の心材で、常温でも涼やかで気品のある甘い香りが立ちます。香の材料の他に仏像や数珠や扇子の材料としてもよく用いられています。 香料丁子(ちょうじ)チョウジノキの開花の直前の蕾を乾燥させたもので、形がくぎに似ているので丁子と名づけられたともいわれています。古来より代表的なスパイスの一つで、大航海時代には胡椒とともにヨーロッパを席巻しました。 ![]() ![]() 香料桂皮(けいひ)クスノキ科ニッケイ属の常緑樹の樹皮です。その独特の甘さとかすかな辛い香りから食品香料として、また血行促進で体を温める作用から漢方薬にも重宝されています。 香料甘松(かんしょう)オミナエシ科の草木の根や茎です。甘さ、酸っぱさ、苦さが独特でこってりした香りです。新約聖書の中でマグダラのマリアがイエスの足にぬった奇跡の聖油がスパイクナード=甘松だといわれています。 ![]() ![]() 香料大茴香(だいういきょう)シキミ科(モクレン科)トウシキミの果実です。特徴のある星形から八角茴香とも呼ばれています。香りはさわやかな甘みで、香原料としては香りの奥行きを 広げる役割があります。 香料かっ香(かっこう)シソ科のカワミドリの葉と茎の部分を乾燥させたものです。古くから香料や薬用に使われていました。 薬草のようなウッディーですっきりした香りが特徴で、緊張や不安を和らげるといわれています。 ![]() ![]() 香料排草香(はいそうこう)シソ科のカワミドリの根の部分を乾燥させたものです。香りが強く、清涼感あるクールな香りで、粉末にしてお線香によく使われます。 香料山奈(さんな)山奈=バンウコンはショウガ科の植物です。ショウガの匂いに近いすっきりとした香りで、調合の際には他の香料の強烈な香りをぼかして両方をなじませることのできる、補佐的な役割で使われます。 ![]() ![]() 香料零陵香(れいりょうこう)零陵香は他の香料と一緒にしておくと全てに香りが移ってしまうといわれるほど、甘く強い香りです。この零陵香の種子を粉にしたものがフェヌグリークというスパイスで、日本のカレー粉にも使われます。 香料乳香(にゅうこう)カンラン科ボスウェリア属の種類の木から採れるゴム状の分泌物です。幹に傷をつけ、しみ出して固まったものを採取します。清涼で優雅で奥行きのある香りで、西洋では古来より宗教儀式に用いられてきた伝統的な香りです。 ![]() ![]() 香料龍脳 (りゅうのう)フタバガキ科の常緑大高木、龍脳樹の樹心部の空間にできる無色透明な結晶です。爽やかな香りで樟脳によく似ていますが、樟脳よりももっと優雅で強い香りです。 香料保香材安息香(あんそくこう)エゴノキ科の常緑大高木、アンソクコウノキから取れる樹脂です。幹に傷をつけ、しみ出して固まったものを採取します。ほんのりと甘みのある香りで、西洋では古来より宗教儀式に用いられてきた伝統的な香りです。 ![]() ![]() 保香材麝香(じゃこう)麝香は発情期のジャコウジカの雄の香囊から取ります。麝香そのものは、独特の動物臭ですが、アルコールなどの溶媒で1000倍に薄めて他の香原料に調合することで全体の香りを官能的で熟成したものに変貌させます。 保香材龍涎香(りゅうぜんこう)マッコウクジラの体内に傷がついた時にその傷を治すために出した分泌物が固まったものです。海岸に流れ着くロウ状の塊で、長い間正体がわからず、中国では龍の涎の香りということで、龍涎香と名付けられました。 ![]() ![]() 保香材貝香/甲香(かいこう/こうこう)貝香というのは巻貝のフタを粉末にしたものです。貝香は香りを安定させて長持ちさせる保香材で、単独ではタンパク質系の匂いですが、香原料に混ぜると全体の香りがしっかりと引き締まります。 |